「CLXMILE」 日本医療企画 第4巻6号 2002年6月
 地域に眠る看護師の力で
疲れ果てた家族を助けたい
                                    「キャンナス」代表 菅原由美

     私は仕事と子育てをしながら祖母を介護し、そのころは息抜きの時間もなく、「祖母が倒れるか私が倒れるか」
という辛い状況に追い込まれました。幸い、夫の協力で遊びに行って息抜きもし、それがあったので「また頑張らなきゃ」
という気持ちになれ、祖母に優しく接することもできたのです。

 その後母が末期がんに倒れ、病院から自宅に連れて帰り、安らかな最期の日々を過ごしてもらうことができました。
看護師の経験を生かすことができたと思います。

 全国には1年365日、休む時間もなく肉親を介護し、疲れ果てている人がたくさんいらっしゃることでしょう。
また、私のような退職した看護師が援助することで、在宅で過ごせる人もいます。そのような人を「助けることができれば」
と考えたのが「キャンナス」の原点であり出発点です。

 最近、ヘルパーの医療行為を認めようとする動きがありますが、現状ではかなり危険が伴うと思います。
医療にかかわるところは、看護師が補っていけたらいいと考えます。看護師として働いた経験がある人なら、顔色を見ただけで
状態の変化がわかり、アドバイスもできます。医療につなげることもできます。疾病をかかえた高齢者は、私たちのような
医療知識があるヘルパーがそばにいるだけでも安心です。

 藤沢市で始まった看護師による訪問介護サービスの活動は、多くの賛同を得て、県外にも「キャンナス」が生まれています。
でも、まだまだ足りません。そこで、私が声を大にして言いたいのは、「家庭に入って看護師免許を生かしてない人がいたら、
出てきてください。あなたを求めている人がたくさんいますよ」ということ。

 まず、私に連絡をください。